PHILIPS/SHE9700
型式:
密閉(セミオープン)・ダイナミック型用途:
ポータブル・リスニングドライバー口径:
φ8.6mm出力音圧レベル:
103dB/mWインピーダンス:
16Ω再生周波数帯域:
6〜23,500Hz質量:----
備考:
イヤピース(3サイズ)・キャリングケース・延長コード付属購入価格:
¥3,980

装着感は良好。イヤチップは付属のLサイズを使用。
遮音性はカナルの水準並み。音漏れは背面孔から結構ある。
電車などで使う際は周りに配慮する必要がある。
音場は左右に広い。音の定位はなかなか明確。
上下の広がりはいまいちだが奥行きはそれなりに感じられる。
解像度・分解能は価格の割りに概ね良い。
窮屈に感じにくい丁寧な空間作りには好感が持てる。
音のバランスは低音寄り。超低域・低域がかなり多い。
低域の量に押され音全体に躍動感が欠け、もっさりとしている。
ドラム音は厚み・柔らかみがあり音場にゆっくり広がる。
中域・高域はそれぞれ量は同程度出ており、低域と比べると控えめ。
高域はソースによってシャリつきが結構気になる。鮮やかさはそれなり。
金管楽器の表現はいまいち。伸びが弱いし芯が細身で力強さ不足。
和楽器や民族楽器の表現はかなり巧い。琴や鼓の音など温かみと繊細さがマッチする。
弦楽器の表現はなかなか。バイオリンなどは滑らかで生っぽさを感じるし程よい線の太さ。
生楽器の表現と比べると電子音系の表現は不得手。
解像度は十分だが低域がぼやけすぎるし、無機質な音との相性は微妙。
ボーカル表現は普通。引っ込みがちで擦れもあるが特別聴きにくくはない。
欠点は低域がぼやけるだけならまだしも量が多く、聴くジャンルを選ぶことか。
ただ、繊細な楽器の表現は十分巧いしスローテンポな曲との相性は概ね良い。
そういう意味ではPHILIPS上位機であるHP1000譲りの部分が少なからず見受けられる。
この機種に魅力を感じるのは音の質というよりは空間表現。
低価格のカナル型イヤホンながら楽器の定位と音場の広がりを楽しめる。
ロックやダンスポップをノリよく聴いて楽しむというよりは
クラシックやイージーリスニングなどをゆったりと聴くのに向いている印象。
インストゥルメントをよく聴く人にお薦めできる機種。
| PHILIPS/SHE9700 |
| POPS | ROCK | CLASSIC | JAZZ | VOCAL |
| 3 | 3 | 4 | 4 | 3 |
| ELECTRONICA | Easy Listening | DJ |
| 2 | 4 | 2 |
| 解像度 | 分解能 | 音場表現 | 快適性 | C/P比 |
| 3 | 3 | 3 | 5 | 5 |
5段階評価で「3」が水準、「5」が優。
※この表は現在試行運用中です。
AH-C350との比較イヤチップは付属のLサイズを使用。ほぼ同じ音の傾向。
音漏れはほぼ同じ量。僅かにAH-C350の方が多く漏れている印象。
SHE9700は音場は左右に広い。AH-C350はほぼカナル水準並みの広さ。
解像度・分解能はSHE9700が上。AH-C350は少し不満が残る。
定位表現はSHE9700が巧い。AH-C350の方は音場がやや窮屈で聴き辛い部分がある。
ボーカル表現はどちらも水準並みの出来だがSHE9700の方が擦れは少ない。
超低域の量はSHE9700が多くぼやける。低域過多にも思える。
AH-C350は低音の質はなかなかタイトで程よい伸びと響きを保っている。
中・高域の音表現は楽器の生っぽさを感じられるという点でSHE9700が巧い。
HP-FXC50との比較装着感は圧迫感の少ないSHE9700の方が良好。
遮音性・音漏れ防止はHP-FXC50が良い。SHE9700はカナルにしてはやや悪い。
解像度・分解能ともにHP-FXC50がやや良い。
逆に空間表現はSHE9700の方が上。音場も不満を感じない広さがある。
全体的にSHE9700は低域〜高域まで音に丸みを帯びている落ち着いた鳴り。
HP-FXC50は高域に刺激的な部分があるが個々の音の緻密な描写力に優れる。
基本的にどちらもゆったりとした曲を聴くのに向いていると感じる。
オケやジャズを聴くならSHE9700。楽器音の太さも程よく、空間表現が楽しめる。
HP-FXC50も繊細さは良いのだがSHE9700と比べると音場が狭くどうしても臨場感に欠ける。
芯の太いボーカルを楽しみたいならSHE9700。繊細で艶のあるボーカルならHP-FXC50。
ホルンのような吹奏楽器の芯の太さ・力強さ・鮮やかさはSHE9700が良く実体感も十分。
一方でハープの爪弾く音やフルートの細く伸びる精細な表現ならばHP-FXC50の方が良い。
高域は上擦る癖や痛い表現の少ないSHE9700の方が好印象。HP-FXC50は痛い表現がある。
また、金属的な音の質感を避けて柔らかさや温かみを重視するならSHE9700。
できるだけ細かい描写を聴きたいときや硬さのある鳴りが好みならHP-FXC50。
SHE9700はソースによって低音の量感がかなり多いため、それを避けたい時はHP-FXC50。
音傾向はそこそこ似ているが音の質感はあまり被らないので好みで選ぶと良いだろう。
SE-CLX50との比較どちらも低音寄りのドンシャリ。
解像度・分解能・音場表現すべてSE-CLX50がやや上。
遮音性はSE-CLX50の方が高いが音漏れはSE-CLX50の方が多い。
ローエンドの量感・厚み・伸びはほぼ互角だがSE-CLX50の方がやや上。
どちらの機種にしろ低域がボワつきがちだがSHE9700の方があっさりめ。
ボーカルの癖の無さはSE-CLX50、明瞭さ・艶っぽさはSHE9700が良い。
またコーラスの柔らかさ、繊細な表現はSHE9700が一枚上手。
逆に言うと芯の通った力強いボーカルはSE-CLX50の方が癖もなく聴き易い。
金管楽器はSHE9700の方が鮮やか。SE-CLX50は迫力はあるが地味な音色。
SHE9700は聴いていて楽しめる色づけが成された音という印象だが
そういう意味ではSE-CLX50はモニター寄りの堅実さがある。
力強さやノリのよさ、音場の広さに少しでもこだわるならSE-CLX50。
ボーカルの明瞭さや楽器の鮮やかさを重視する場合にはSHE9700。
SHE9550との比較どちらも低音寄りだがSHE9700の方がドンシャリ傾向。
双方に同じチップをつけるとそれぞれ非常に近い音傾向になる。
SHE9700は半開放型、SHE9550は完全な密閉型。
解像度・分解能・音場表現すべてSHE9700がやや上。
特に音場表現はSHE9700の方が広く、全体を見渡し易い。
遮音性・音漏れ防止はSHE9700に比べてSHE9550の方が良い。
双方、耳に痛い音はさほど出さないが低音の量感で聴き疲れしやすい。
どちらも低音の量が多く、低音主体のソースでは篭りや息苦しさを感じる。
ドラムはSHE9550の方が若干タイト。SHE9700は太めで柔らかくボンつく。
ドラムで躍動感や制動感が欲しいならSHE9550が良い。
金管楽器はどちらも同等程度の鮮やかさと迫力を持っている。
弦楽器の繊細さ・温かみはSHE9700、力強さはSHE9550の方がある。
ボーカルの明瞭さは互角。厚みがあってしっかり主張してくるのはSHE9550。
使い分けるならクラシックやジャズ、ゆったりしたリスニングは基本的にSHE9700。
それ以外のソースは聴く曲ごとに好みでどちらかを使うのが良いだろう。